コボットStudio 2.2.0.0より追加されたレコーダー機能についてご紹介します。
1.レコーダー機能とは
レコーダー機能ではワークフローの大まかな枠組みを作成できます。
デザイナーパネル上でアクティビティの調整を行い、最終的なワークフローを作るための補助機能としてぜひご利用ください。
メリット
- 実際に動かしながらその動きを記録できる。
- 基本的には設定が必須なプロパティのみ画面上で設定できるようになっているため、デザイナーパネルに配置して一から設定するよりも簡単。
デメリット
- 条件分岐や特殊な動きは対応していない。
※レコーダー機能で大枠を作った後にデザイナーパネル上で追加や修正を行うことは可能です。
2.画面構成について
レコーダー機能はWebとデスクトップに分かれており、さらにWebの中でも使用するアクティビティパッケージによって選択できる項目に違いがあります。
ウィザードの構成と各大項目内の小項目はそれぞれ以下のようになっています。リンクをクリックすると該当のアクティビティの説明ページを新規タブで開きます。
Web(Native Browser・ブラウザ共通)の場合
Native Browserの場合
大項目 | 小項目 |
---|---|
ブラウザ操作 | ブラウザを開く、タブを閉じる、戻る、進む、指定URLへ画面遷移、操作画面切替、更新、ブラウザURLを待機、ブラウザタイトルを待機、ページの読込を待機、JavaScriptを挿入、ブラウザを閉じる |
マウス操作 | クリック、ホバー、アイテム選択、複数アイテム選択、チェック |
キーボード操作 | 文字入力 |
要素 | テキストを取得、Web属性を取得、Web属性を設定、要素の有無を検出、要素が消えるまで待機、Web属性を待機、スクリーンショットを撮る |
イメージ | 画像をクリック、画像検索判定 |
待機時間 | (こちらを参照) |
ブラウザの場合
大項目 | 小項目 |
---|---|
ブラウザ操作 | ブラウザを開く、タブを閉じる、戻る、進む、指定URLへ画面遷移、更新、ブラウザURLを待機、ブラウザタイトルを待機、ページの読込を待機、JavaScriptを挿入、ブラウザを閉じる |
マウス操作 | クリック、ホバー、アイテム選択、複数アイテム選択、チェック |
キーボード操作 | 文字入力、ショートカットキーを送信 |
要素 | テキストを取得、Web属性を取得、Web属性を設定、要素の有無を検出、要素が存在するまで待機、要素が消えるまで待機、Web属性を待機、スクリーンショットを撮る |
イメージ | 画像をクリック、画像検索判定 |
待機時間 | (こちらを参照) |
デスクトップの場合
大項目 | 小項目 |
---|---|
アプリ開始 | ウィンドウを開く、ウィンドウを閉じる |
マウス操作 | クリック |
キーボード操作 | 文字入力、ショートカットキーを送信※ |
コントロール | アイテム選択、チェック |
テキスト | テキストを取得、表示中のテキストを取得 |
画像 | 画像をクリック、画像検索判定 |
待機時間 | (こちらを参照) |
※デスクトップの「ショートカットキーを送信」では「コントロールを検索」→「ショートカットキーを送信」の2つのアクティビティが記録されます。
待機時間の使い方
Web・デスクトップ共通で「待機時間」というボタンがあり、「待機しない」もしくは1秒~5秒の中から待機時間を設定することが可能です。
各項目を選択し手動で操作を記録する際にボタンを押してから設定した秒数待機してから、対象要素の選択を始めることができます。
例えば右クリック後のメニューを操作する際などに使用できます。
※「待機」アクティビティ・「実行後/実行前の待機時間」プロパティとは関係がなく、あくまでレコーダーの機能の一部です。ご注意ください。
3.レコーダー機能でできること
Webの場合
Webページを操作することができます。
対象のブラウザは以下の通りです。※InternetExplorerは対象外
- Chrome
- Edge
- Firefox
レコーダーで利用するアクティビティパッケージは以下の通りです。
- ブラウザ
- NativeBrowser
パッケージマネージャーでNativeBrowserとブラウザのパッケージをインストールしていることが前提です。パッケージマネージャーでのアクティビティ追加手順はこちらをご覧ください。
また、Webを選択した場合のみ、ウィザードを開く前に、「使用するWebブラウザの指定」という画面が表示されます。この画面で、使用するブラウザ・使用するアクティビティパッケージ・開きたいWebページの設定などができます。
対象のアクティビティパッケージを両方インストールすると、レコーダーを開いた際に使用ブラウザを選択できる画面でブラウザとNative Browserのどちらのアクティビティを使用するのかを選択できるようになります。
「Native Browser」を選択した場合は、「記録するタブを選択」から既に開いているタブを選択して「ブラウザにアタッチ」とからスタートすることが可能です。
いずれか一つのみインストールしている場合
画像はNative Browserのみインストールされている場合の表示です。
両方インストール済みで「Native Browser」を選択した場合
「記録するタブを選択」の設定ができます。
両方インストール済みで「ブラウザ」を選択した場合
「記録するタブを選択」がありません。
デスクトップの場合
メモ帳などのアプリケーションの操作が可能ですが、ご利用中のアプリケーションによっては操作できない場合がございます。
また、コボットPlatform自体の操作を自動化することはできません。
4.記録方法について
記録方法には「自動記録」と「手動記録」の二種類があります。
自動記録
ウィザードを開き、左側にある「記録」ボタンを押下することで使用できます。
実際に画面を操作しながら、行った操作を該当のアクティビティに変換して記録することが可能です。
下記、使用例で実際に操作をおこなったものを載せてありますのでご参照ください。
自動記録の開始・停止方法
記録の開始はWeb・デスクトップ共通でウィザードの「記録」ボタンをクリックすることで開始できます。停止方法はWebとデスクトップで異なります。
- Webの場合:ウィザードの「記録停止」を押下する or「Esc」キーを押下する
- デスクトップの場合:「ESC」キーを押下する or 右クリックをする
手動記録
手動での記録はウィザード内の各メニューから行いたい動作を選択することで記録することが可能です。
自動記録の途中に手動での記録を挟みたい場合は一度自動記録をストップさせる必要があります。
5.使用例
使用例をご紹介します。動画では、コボットPortalにアクセスし、クリックと文字入力の操作を行なっており、Native Browserを使用しています。
動画の操作手順は以下の通りです。
- コボットStudioの画面上部の「記録」から「Web」を選択する。
- ブラウザ選択画面が出るので「記録するURLを入力」にURLを入力してOKを押下する。
- 入力したURLのページが開くので「記録」を押下して記録を開始する。
- 実際に画面を操作しながら動作を記録する。
- 「記録を停止」を押下して記録を停止する。
- 「保存して終了」を押下してウィザード閉じる。
- デザイナーパネルに記録した動きがワークフローとして反映される。
- 反映されたワークフローを実際に実行し動くことを確認する。
実際にワークフローを動かしてみて追加の操作や設定が必要であれば、コボットStudioのデザイナーパネルにて修正を行ないます。
6.レコーダー機能使用時の注意点
レコーダー機能を使用する際、以下の機能は実装されておりませんのでご注意ください。
- ウィザード内で設定したアクティビティの上下移動(並べ替え)
- ウィザード内での設定したアクティビティの修正(削除は可、プロパティ修正などは不可)
いずれも一度該当のアクティビティを削除し、再度改めてアクティビティを設定しなおしていただく、もしくは「保存して終了」ボタンを押下してウィザードを終了していただき、デザイナーズパネル上で順番の並べ替え・詳細の修正を行っていただくことで対処可能です。